STORY
目を覚ますと、見慣れない天井と
スマートフォンの画面が目に入る。
頭がふわふわ…いや、とろとろしている。
なにも思い出せない―
しばらく周囲を観察し、状況を整理したところ、
どうやら私は就職活動真っ最中の
現代の大学生に転生してしまったようだ。
私は驚きと戸惑いを覚えながらも、
粛々と新しい生活を始めることにした。
ある日、キャンパス内でたまたま手に取った
図鑑の写真を見て、私はハッと息を呑んだ。
「…にわとり?…たまご。 …!」
健康的でふっくらとしたその姿を見た瞬間、
私の脳裏に焼き付いていた前世の記憶が、
鮮やかに蘇ったのだ。
転生前の世界で、私は鶏を育てていた。
日の出とともに鶏小屋に向かい、
卵を拾い、エサを与え、
こつこつ愛情を込めて見守る日々。
鶏たちは私にとって、家族のような存在だった。
そんな中、再び出会った鶏。
それは、私にとって運命の再会だった。
「生まれ変わっても、キミといつまでも。」
心の中でそう呟き、静かに微笑んだ。
私は決意を固めた。
私は、キミを育てる仕事に就く。
前世の経験を活かし、キミと人の架け橋になる。
私は、新しい一歩を踏み出す。
鶏舎の匂い、キミの鳴き声、
それらは全て、私にとって懐かしい、
そして温かいものだった。
前世でできなかったことを、今こそ成し遂げたい。
鶏と共に、未来を切り開いていく。
あなたも、いっしょに育ててみる?